カレーにはトレンドがあります。たとえば、2015年は金沢カレーが大ヒット、翌年2016年にはスリランカカレーが全国各地で盛り上がりを見せました。では、カレーパンにはどんなトレンドがあるのでしょうか? そこで大宅壮一文庫、国会図書館を活用し、過去のカレーパンに関する記述を探してみました。
2001年9月号の『日経トレンディ』では、ひとくち食べきりサイズのカレーパンがトレンドであると記載しています。
価格は5個入りで600円。銀ぶら(銀座をぶらぶら歩くこと)しながら食べてもらうことを意識して作ったそう。2001年頃は、カレーパンを食べながら銀座を歩くことがトレンドだったといえそうです。
2002年8月6日号の『週刊東京ウォーカー』では、<カレー専門店&珍カレーパン登場!>の企画記事が掲載されています。その記事によれば、東京・笹塚に「貴婦人のカリーパン」というカレーパン専門店がオープンしたことを知らせています。
カレーパンをスプーンで食べるため手が汚れないという“上品さ”がヒットの要因に。30分待ちの行列ができ、毎日400~500人もの人が訪れる大人気店になりました。カレーパンのフィリングは、チキンベースでりんごとチャツネを煮込んでいるので、ソースに自然な甘さがあったといいます。表面にはバジルとスパイスのパウダーがまぶされてあり、生地はサクサクもちもち食感。フィリングと合わせると110gというボリューム満点なところも人気の秘訣だったよう。1個180円。ただし、2004年頃には閉店。カレーパン専門店の経営は、なかなか厳しいよう…。
2008年8月号の『dancyu』には、<進化する“日本カレーパン”最新事情 「全国カレーパンめぐり」君はどの味を選ぶか?>という題の記事が掲載されています。そのページは「ご当地グルメが話題に上る中、ついに“カレーパン“にもご当地ブームがやってきた」の一文から始まります。2008年頃から、ご当地カレーパンによるまちおこしが本格的に始まっているといえそうです。